大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)903 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人花房多喜雄の上告理由第一点について。

原判決は、昭和二九年一〇月二六日本件家屋に対し、被上告人から強制競売の申

立がなされ、右競売開始決定正本は同年一一月四日債務者D(当時の本件家屋の所

有者)に送達された事実、次でDは同三〇年二月一日死亡しその夫Eが相続により

本件家屋の所有権を取得した事実、所論賃料減額の合意は同年二月、当時の賃貸人

たるEと上告人との間になされた事実、そして被上告人は同年三月二二日競落によ

り本件家屋の所有権を取得した事実を順次認定したうえ、右賃料減額の合意は本件

家屋に対する差押の効力発生後に成立したものでしかも被上告人を害するにいたる

のであるから、上告人は右賃料の減額をもつて被上告人に対抗することは法律上許

されないとしているのである。上告人は当審において上告人が本件建物附属の畳建

具等を金七、〇〇〇円で競落し、その結果家賃の減額となつた旨主張するけれども、

原判決は証拠にもとづいて右代金は僅かに金二、三〇〇円であると認定し右賃料の

半額減額の合理性を否定し、結局、右賃料の減額が民訴六四四条二項所定の「不動

産の利用、管理」の範囲を逸脱しないものであるとの点は本訴において立証されな

かつたことに帰着するのであつて、如上原判決の判断はすべて正当であつて、この

点に関する論旨は採用することはできない。

同第二点について。

かりに所論のように賃料減額の合意のなされた事実が当事者間に争いないとして

も、裁判所が右合意の効力につき法律上の判断を示すことは何ら所論民事訴訟にお

ける当事者処分主義の法則に反するものではない。又所論のように後に請求の趣旨

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変更に際して減額をみとめてその範囲の賃料請求をした事実があるからといつて、

この一事をもつてさきに被上告人がした解除の前提をなす賃料支払催告の効力に消

長を及ぼすものとすることのできないことは当然である。右催告の当時被上告人が

所論減額の効力を容認した形迹の本件においてみとめるべくもないことは原判文上

あきらかである。論旨は理由がない。

同第三点について。

記録にあらわれた原審における弁論の経過に徴し、所論の点について、原審に所

論のような釈明権不行使の違法あることはみとめられない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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